井上尚弥が初ダウンを喫しましたね。
あまりの衝撃に、その後震えが止まることなく観戦してしまいました。
なぜダウンを喫したのか?その理由を様々な視点で探ってみました。
井上尚弥が初ダウンを喫した理由5選
- 井上選手の位置取りが内側だった
- 全ての期待を一身に背負った気負い
- 調子が良すぎた
など様々な要因が隠れているように思えます。
井上選手の左足の位置取りが内側だった
左側の位置どりがネリの右足に対して、内側を取っていました。
そのためネリの左フックに対して、井上選手の顔が近すぎて反応できなかったのでしょう。
スローでは全く見えてない様子で顎にもらっていましたよね。
一瞬ヒヤッとしたシーンでした。
とはいえ、井上選手は右をフックを狙っており、回転しながら倒れたので、ダメージはうまく逃がせていたようです。
- ネリは後ろ重心で距離が遠いこと
- 井上選手が左フックや左ボディを狙いたかった
結果論ですが、もう少し様子見してもよかったのかもしれませんね。
初の東京ドーム開催、大橋会長、ジムや、ファンの期待を背負いすぎて気負った
いつになく気合いの入った表情を崩さなかった井上選手。
おそらく興奮状態にあったと思います。
いつも冷静にパンチを見切るために時間をかける井上選手にしては、めずらしく不用意に近づいてしまったなという印象でした。
完全に見切る前に近づいたからこそのネリの一発だったと感じました。
井上選手は調子が良かったが、良すぎて油断に繋がった
井上選手の顔の様子を見ていると頬がこけた様子もなく、ドネアとの2戦目のように上手くリカバリーできた様子でしたよね。
おそらく本人も過去の調子が良かった試合の再現を狙い、序盤でのKOを!
と力んでしまったのではないでしょうか?
と言っても試合中のその場の感覚が微妙に狂ってしまったという程度ですが……
わずかな綻びが命取りになるということですよね。
ネリの仕上がりも過去最高だった
ネリは計量を500gアンダーでパス。
実際体調はどうなのかと思いましたが、序盤を見る限りかなり調子も良さそうでしたね。
井上選手への対策も万全でした。
井上選手がインサイドを取ってくれば、左フックをコンパクトに合わせる練習をしてきたはず。
狙い通りの一撃でした。
過去にドーピングで話題になった格闘家も500gアンダーで計量パス
試合ではKO勝ちしてましたね。
後日ノーコンテストになりましたが。
前日までにすでに体重を落としていたことで、栄養面でもリカバリー面でも少し余裕があったと思われます。
ネリは外を取る作戦だった?
井上選手が内側を取りにきたので、特別右にまわる動きを見せていたようには感じませんでした。
ですがネリは外から左フックや、井上選手との撃ち合いの中で、井上選手が苦手とする見えない位置からの右フックを狙っている様子でした。
井上選手はより攻撃になるために選択した位置どりが、ネリ選手の作戦とピッタリ合致したために起こった一発なのでしょう。
井上尚弥選手はダウンしてからがモンスターだった
井上尚弥選手はダウンしてからがモンスターでした。
本当にダウンしたことがない選手なのか?というほどです。
1ラウンドのダウン後のディフェンス力やカウント中の対応が秀逸
解説の長谷川選手も言っていた通り。
カウント8まで冷静に膝をついて休み、ネリの追撃もボディワークで冷静にかわした井上選手のディフェンスは圧巻。
打ち返さないわけでもなく、かといって無理に打ち合うでもなく、追撃をもらわずに1ラウンドを凌ぎ切ります。
井上尚弥選手は顎も強かった
井上選手は、ほとんど打たれることがありません。
そのため耐久力を見せた機会は多くありません。
今回も試合後のインタビューで、1ラウンドのダウンは効いてはいなかったと明言。
ディフェンスがうまいだけでなく、打たれ強いことも証明しました。
2ラウンドには下がりながらの左フックでダウンを奪い返す
2ラウンド、あらためてジャブで立て直し、ペースを握り始めたタイミングでネリが不用意に出てきたタイミングを見逃さずカウンターの左フックでダウンを奪い返しました。
その後もボディや右ストレートを確実に当ててダメージを蓄積させていきます。
5ラウンドにも左フックで追加のダウン
ロープに追い詰められての撃ち合いで、ショートの左フックでダウンを追加した井上選手。
このダウンは膝から崩れ落ちたため、確実に効いたとわかるシーンでした。
6ラウンド、ロープ側に追い詰めての右ストレートで決着
最後はロープに追い詰めて右ストレートでフィニッシュ。
5ラウンドからネリ選手は明らかにパンチのスピードが落ちていたため、余裕を持って強いパンチを打ち込んでいました。
2〜5ラウンドで蓄積させたダメージ差が、ネリ選手の身体のコントロールを奪っていったようでした。
次戦はオーストラリアのサム・グッドマン戦が有力
井上尚弥選手の次戦はサム・グッドマンとの対戦が既定路線のようですね。
サムグッドマンは、今回ルイス・ネリが計量失敗した時の代役に選ばれていたTJ・ドヘニーとライース・アリームに判定勝ち。
怖さは少ないけれど、プレスを強めて手数で押し切ることのできる相手です。
井上選手の試合となれば日本開催が有力ではありますが、グッドマンは母国オーストラリアでの開催を望んでいます。
敵地に乗り込んで防衛戦を行うのも、今以上に名前を売るのに良い機会かもしれませんね。
中東のオイルマネーも魅力的
ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との試合を、サウジアラビアで行うプランもあると以前から話していました。
タパレス選手と戦うまでは2冠でしたし、無敗だった選手。
帝拳プロモーションの本田会長も、以下のように話しています。
「近いうちに(王族のスポーツ省ターキ・アルファサル大臣が)来日して交渉することになるかも。
閣下は井上尚弥の大ファンだっていうんだ」と明かした。
実現すれば1000万ドル(約15億3000万円)を超えるファイトマネーが濃厚な夢の試合となる。
https://www.chunichi.co.jp/article/894104
今後のファイトマネーは?
ちなみに総合格闘技団体UFCの元ヘビー級チャンピオン=フランシス・ガヌーは中東でのボクシングマッチ2試合で43億円のファイトマネーを獲得したと言われています。
ヘビー級の試合は迫力があり、KO決着も多いことからファイトマネーは高騰しやすいですが、井上選手にも負けず劣らずその価値がある選手です。
是非とも実現してもらいたいですよね。
中東での試合が実現すれば15億〜20億は確実と言われています。
野球の大谷選手に匹敵するアスリートの井上選手。
せっかくこれだけのスター選手なのですから、世界一稼ぐボクシング選手になってほしいものです。
井上尚弥が初ダウンを喫した理由5選|まとめ
- 位置取り:井上選手はルイス・ネリ選手の右足に対して内側を取り、予期せぬ左フックを顔に受けてしまった
- 気負い:東京ドームでの試合という大舞台でのプレッシャーが原因で通常の冷静さを欠いていた
- 調子が良すぎた:過去の好調を再現しようとし過ぎ、油断が生じた可能性がある
- ネリの対策が良かった:狙い通りの準備してきた一撃だった
- ネリの調子が良かった:ネリ選手は計量をパスし、体調も良く、完璧なタイミングでカウンターを決めた
井上選手はダウン後、防御技術と反撃で見事に復活し、その後のラウンドで圧倒。
次戦はサム・グッドマンとの対戦が有力視されており、井上選手は引き続き世界トップクラスの評価を受けています。